ハノイの大気汚染と受動喫煙に要注意長引く咳は危険信号、早めの専門医受診を

 ハノイでは、空がスモッグで霞むほど大気汚染が深刻です。2024年の平均PM2.5濃度は45µg/㎥で、WHO基準の約8倍に達します。また、ベトナムは成人男性の喫煙率が約4割に上り、非喫煙者の半数近くが受動喫煙にさらされています。こうした環境では呼吸器に大きな負担がかかり、喘息の発症や咳の長期化を招きがちです。
 「ただの風邪かな?」と思っていた咳が2週間以上続く場合、もはや風邪が原因ではないことが多いため、決して放置しないでください。慢性的な咳の代表的な原因として、喘息(咳喘息)や副鼻腔炎(後鼻漏)、慢性気管支炎などがありますが、中には結核や肺がんが隠れていることもあります。放置すれば深刻化する病気もあるため、長引く咳は早めに精密検査を受けましょう。当院であれば、呼吸機能検査や胸部CTによる詳しい診断が可能です。
 市販の咳止めは症状を一時的に和らげるだけで、咳の根本原因を治す薬ではありません。実は一般的な風邪薬も、風邪そのものを治す薬ではなく、症状を緩和する対症療法です。長引く咳を止める唯一の方法は、症状の原因となる病態を解明し、それに見合った治療を受けることです。辛い咳に悩まされたら、専門医のいる医療機関に相談しましょう。

ハノイの空気やタバコの煙は、咳や喘息を悪化させやすい環境

咳が2週間以上続く場合は風邪ではないことがあり、放っておくと心配な病気が隠れている可能性も

市販の咳止めは一時的な対処にすぎず、根本から治すには原因を調べて適切な治療を受けることが大切

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