ハノイから車で1時間!ソンタイにある、ドンラム村へ行こう!

目次

ドンラム村について

ドンラム村は、ハノイ中心から郊外北西に約50km、ソンタイ(Sơn Tây)地区のソンホン川の南岸に位置する農村です。
(ドンラムはベトナム語で書くと「Đường Lâm(北部発音:ドゥオンラム)」、漢字で書くと「唐林」と書きます。)
ここには伝統的な農村文化や町並み、そして多くの歴史的建造物が保存されており、2005年11月にベトナム政府より初めて国家歴史文化遺跡として(村全体が「Làng Cổ / Ancient Village(古代の村)」として)認定された場所として有名です。
(※現地では「Làng Cổ Đường Lâm(ランコードンラム)」と呼びますが、直訳すると「古代の村、ドンラム」という意味になります。)
今回は週末土日を使って初めてドンラム村を訪れましたので、その体験談も含めご紹介させていただきます。
(訪問日:2022/7/23-24)

ドンラム村から排出された英雄とは?

ドンラム村からは多くの歴史的英雄が輩出されているようです。
昔中国からの独立に貢献した英雄、フン・フン(Phùng Hưng:馮興)とゴ・クエン(Ngô Quyền:呉権)の2名は一番有名です。また、対中外交の英雄で、科挙合格者でもあるザン・ヴァン・ミン(江文明)の出身地としても知られます。
そのため、ドンラム村には彼ら三名を祀る祠堂や寺院があります。

フン・フン亭(Đình Phùng Hưng)
ゴ・クエンの墓(Lăng Ngô Quyền)

ドンラム村の保存プロジェクトについて

ベトナム政府は経済発展により伝統的な住居の景観が失われることに危機感を抱き、2001年6月に文化遺産法を制定します。その後、ホイアンの保存(1992-2003)に実績のあった日本に協力を要請し、ドンラム村の保存事業が2003年頃から開始されます。このプロジェクトには昭和女子大学国際文化研究所と奈良文化研究所が要請を受け保存対策調査を進めます。ベトナム政府は2005年11月にドンラム村を国家文化財に指定し、2008年1月にはJICAが協力するかたちとなったようです。
その結果、多くの家屋が修復され、次第に観光客が増加していきました。結果的にこのドンラム村の保存プロジェクトがユネスコに評価され、2013年2月18日には、ユネスコよりアジア太平洋文化遺産保護賞で優秀賞を受賞するかたちとなりました。

モンフ門(Mông Phụ)

ドンラム村への行き方

観光でハノイからドンラム村へ行くにはタクシーかバスが主要な行き方になるかと思います。
タクシーであれば片道約1時間、バスなら片道約1時間半~2時間です。私は今回ハノイからGrabタクシーで直接向かいましたが、片道54万ドン(約3千円 *8/9レート)でした。戻りは現地でタクシーを手配して60万(約3,462円)VNDでした。
バスを使う場合はハノイ市内から村の入口まで行くことが出来るようです。値段は1万ドン以下で行けるようですのでタクシーよりかなりお得に行けますね。
タクシーで行く場合の注意点としては、ソンタイ側からハノイに戻る場合、配車サービスのドライバーがソンタイ周辺には殆ど走っていないため、現地でタクシーを手配してハノイに戻るかたちになりますので注意が必要です。
または、ハノイから向かう際に事前にタクシーを1日チャーターしていくのも手かもしれません。

ドンラム村の観光スポットについて

ドンラム村は5つの集落に分かれており、モンフー集落(Mông Phụ)というエリアに観光スポットが集中しています。ドンラム村の入り口である
「モンフ門(Cổng làng Mông Phụ)」から始まり、
「モンフー亭(Đình Mông Phụ)」
「ミア寺(Chùa Mía)」
「フン・フン亭(Đình Phùng Hưng)」
「ゴ・クエン廟(Đền Ngô Quyền)」
「ゴ・クエンの墓(Lăng Ngô Quyền)」
「ザン・ヴァン・ミン祠堂(Nhà Thờ Giang Văn Minh)」
「モンフー教会(Nhà Thờ Mông Phụ)」
「ハー・ヴァン・ラム邸(Hà Văn Lâm)」
等など、
その他築三百年以上の伝統家屋などが主な観光スポットになります。
内容としては半日もあれば全て廻れてしまう規模感ですので、ハノイから日帰りでも十分に足を伸ばせる観光地となっています。

ドンラム村の魅力について

私は1日ドンラム村を観光しましたが、廻ってみてベトナム中部の都市「ホイアン」の古い町並みを連想するようなノスタルジックな感覚になりました。壁も道も古い赤いレンガ造りの町並みはドンラム村の特徴と言えるでしょう。
そのため、雰囲気のあるフォトジェニックな写真を撮影するには最適な場所です。気軽に声をかけてきてくれる、ドンラムの方々の素朴で純粋な笑顔が特に印象的でした。
また、ドンラムの静かな町の中には築数百年の古民家が多く、その中にはレストランとして営業されている場所もありますので、ぜひ一度立ち寄っていただければと思います。
特にこの村で何よりも美しいと感じたのは村を照らす光です。樹齢千年の菩提樹の木漏れ日や、カフェのベンチに差し込む日差し、そして、モンフ門を照らし、ドンラムに沈む夕陽など、全てそこには惚れ惚れしてしまう程の美しい「光(ánh)」があり、私はその光景に魅了されてしまいました。

総括

今回初めてドンラム村に訪問させていただきましたが、総論としてはとても良かったです。また定期的に来たくなるようなそんな場所でございました。ハノイからは気軽に日帰りで行くことが出来きますので、ハノイの喧騒に疲れた方は、タクシーで1時間かけて一度羽を伸ばしに来てみるのもいかがでしょうか。
村の中には「Homestay」と呼ばれる宿泊施設がいくつかあり、カフェなどもあります。必要なものは町に揃っていますので、とても滞在しやすいかと思います。
今後、将来的には「第二のホイアン」として、この村全体がユネスコ世界文化遺産に登録される日も近いかもしれません。ハノイの市内観光に飽きてしまった方や、ハノイ近郊でおすすめの観光地を探されている方には是非おすすめしたい場所です。

著者

人生ユタカ(嶋崎 豊)

プロフィール

東京出身。2016年4月よりハノイ駐在開始。
現地WEBサイト制作会社「アビリブベトナム / Abilive Viet Nam Co., Ltd.」代表。
首都ハノイ専門の観光まとめサイト「Walking Hanoi」と
そのYouTubeチャンネルを運営中。
ベトナムの魅力や役立つ情報を日々紹介している。
趣味はアジアのディープスポット巡り。
【会社HP】https://www.abilive.vn/
【メディア】https://walking-hanoi.net/
【YouTube】https://www.youtube.com/c/WalkingHanoiChannel
【Twitter】https://twitter.com/yutakajinsei
【instagram】https://www.instagram.com/jinsei_yutaka/

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