ベトナムのテレビ局で働く唯一の日本人
2021年9月、地元・石川県の石川テレビを休職し、JICA海外協力隊としてハノイ入りしました。同年10月から国営テレビ局のVTV(ベトナムテレビ)に配属され、”ジャパンリンク”という情報番組を担当しています。約3000人が働くVTVで、日本人スタッフは私だけ。それでも日本語が流ちょうな同僚のおかげで、日々楽しく刺激的な経験をさせてもらっています。
TikTokを始めたきっかけは「広報」
担当番組のジャパンリンクは、日本語のナレーションにベトナム語の字幕を加えたスタイルで、日本人とベトナム人の両方を視聴ターゲットとしています。番組の知名度を高めようと広報の強化を掲げ、当初はSNSで全方位に「見てください!」と発信しまくっていました。しかし、政治経済ニュースのウエイトが高い”硬派番組”ということもあり、視聴習慣に繋がる「親しみやすさ」をどう醸成すべきか、頭を悩ませていました。
そこで考えたのがインフルエンサー戦略でした。まず番組スタッフのファンを作り、そのスタッフが出ている番組のファンになってもらおう、というもの。まずは一番時間に余裕がある私が先陣を切り、軌道に乗ったら徐々にみんなを巻き込む作戦でいくことにしました。
「初心者だからこそ…」に特化
どういうコンテンツなら多くの人に楽しんでもらえるだろうと考えた結果、「ベトナム初心者の日本人」という要素を最大限活かすことにしました。初心者だからこそ見えるものがある。長所でなく短所を強みにするという、逆転の発想です。そこから具体的なコンセプトを固め、スマホ片手に取材した内容を1分にまとめる「ハノイ1分旅」というスタイルを確立。コロナも収まった2022年5月、TikTokへの動画投稿を始めました。
「3か月で30万フォロワー」の秘訣
毎回、台本はありません。長い時で約30分、ずっと録画しながら取材して、そこで得られた感動を、そのまま動画で表現するよう努めています。
「正直な作風」と「毎日アップ」が功を奏したのか、1ヶ月でフォロワー10万人達成。ひとまず軌道に乗ったと見て、同僚の仕事風景や横顔を紹介する動画も作り始めました。そして動画投稿を始めて84日目、目標の30万フォロワーを突破。気が付けば街中で「たけそーん!」と、毎日声をかけられるようになりました。
報道記者の経験がTikTokerに!?
TikTokをやる上で強みとなったのが、10年以上やっていた報道記者の経験です。人も予算も限られる地方のテレビ局では撮影や編集、ナレーションまで、時には全て1人でやらないといけません。映像クリエイターとしてのスキルと、コンテンツを毎日作り続ける胆力が、仕事を通して身についていたのです。
日越をつなぐ映像クリエイター
ベトナムに来た理由を一言でいえば、「日本にとってベトナムはもっと大切な国になると思ったから」です。どこか元気をなくした日本を、特に地方を盛り上げるには、Win-Winな関係が築ける国とのパートナーシップが欠かせません。その代表格であるベトナムに飛び込みたくて、私は今の活動を選びました。
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