
タイ・バンコク&パタヤ編

タイの伝統的な挨拶であるワイ(合掌)のポーズで集合写真

旅のしおり

代表:加藤賢一さん

神奈川県横浜市出身。前職のベトナム工場の立ち上げで2017年に来越。退社後の2020年にアイパックスベトナム社へ転職し、現在は代表を務めている。趣味は料理やゴルフ、ドライブなど。間もなく60歳を迎えるが、仕事が好きなため、今の生活スタイルを続けたいとの熱い思いを持っている。


住:Lot 44G, Quang Minh industrial Park, Me Linh, Hanoi
電:024-3203-5000
衛生環境を整えた日本基準の工場社員満足度も高く人材定着率が自慢
当社の主な事業は、パッケージ製造です。中でも大手日系医療機器メーカー様との関係が深く、日本本社とはなんと50年以上もの取引があります。メーカー様がベトナムに進出する際、通常であれば日本から医療機器のパッケージ製品が送られるところ、メーカー様はベトナム現地での生産を求めていました。そこで、私の前任である所長が2018年に当社工場を立ち上げ、私はその基盤の上で事業を拡大する役目を担っています。
医療向け製品の製造に適したクリーンルームを完備しているのは当社ならではの強みです。ベトナムの工場は衛生環境が不十分なところが多く、医療・食品関係のお客様が安心できる設備を持つことは大きなアドバンテージとなります。そのため、医療パッケージ以外では、日本食レストランのおせち用の箱、ケーキのパッケージなどにも挑戦しています。
2024年は大きな動きがあり、工場を移転しました。おかげさまで事業が好調で、以前の工場ではスペースが不足しており、新しい案件に対応するのが難しくなっていました。そこから同じ工業団地内で3倍の広さを擁していたレンタル工場を見つけて移転を決め、この拡張によって既存顧客だけでなく、新たな案件への取り組みも可能になりました。特に最近は日系企業以外にも、ありがたいことにベトナム国内のローカル企業様との取引も増えています。
私がこの会社で目指すのは、単に事業を拡大することだけではありません。働く環境を整え、社員が長く安心して働ける場を提供することもモットーの1つとして掲げています。ベトナムは人材の流動が激しく、給料の高さが転職の決め手になりがちです。しかし、当社は正直、まだ大企業ではなく、給与を際限なく引き上げることはできません。その分、働きやすい環境や福利厚生を充実させることを目指しています。
現在のベトナム人社員は40人で、今年2025年3月には新たに5人が加わりました。ただ、社員の定着率も大きな課題です。ベトナムでは入社から1カ月以内に辞めていく人も少なからずいます。一方で半年続くと、ほとんどの人が長く勤めてくれます。当社の規模では社員同士の相性も重要で、気の合う仲間を集めることに意識することで、良い職場環境が生まれています。日本人は私1人という状況ですが、それを不安に思うことはありません。むしろ、顔と名前を覚えられる規模で、社員と密に関わりながら会社を運営できることが楽しいと感じています。私の役割は、良い仕事を取り、社員が責任を持って品質を確保し、しっかりと製品を作り上げる仕組みをつくること。そのために、社員には責任とポジションを与え、頑張った分だけ評価する方針をとっています。
将来的には、私の後継者をベトナム人の中から育てることが目標です。私はあと10年、70歳までは頑張るつもりですが、その後は彼らに会社を任せられるようにしていきたいです。

パタヤからボートに乗ってコーラル島へ。スタッフ全員が透き通った海の色に感動

パタヤに訪れたら、ビーチはもちろん、ワットカオシーチャンも外せない撮影スポット
社員旅行の経験が業務効率に直結退職したくない環境作りを徹底
もちろん当社では、仕事だけでなく、社員の経験を広げることも大切だと考えています。だからこそ、社員旅行は特別視しています。2024年はタイへ行き、パタヤとバンコクも含めて計4日間の観光を楽しみました。海を見たり、寺を巡ったり、買い物をしたり。基本的には団体行動でしたが、グループで自由に動く時間も設けました。普段とは違う国の文化や言葉に触れることで、社員たちにとっても良い経験になったのではないでしょうか。
以前はダナンやホイアンへ行き、昨年は国外となり、少しずつ旅行のグレードは上がっています。ベトナム国内ならフーコック島やニャチャンも考えましたが、ベトナム人なら家族旅行で行く人が多く、移動時間や予算を比較し、せっかくなら海外にしようと考え、タイを選びました。2年に一度の約束と50人に満たない人数だからこそもありますね。
次回も海外と考えています。そして、創業10周年記念には日本に行きたい!私はずっとそう言い続けていて、社員たちのモチベーションがアップすることを期待しています。本当に実現できればうれしいですね。日本には本社があるので、工場見学や本社の社員との交流も含め、ただの観光旅行ではなく、学びの多い機会にできると思っています。その予算をつくるのは、私の役目であり、ベトナム人社員への日ごろの感謝と厳しさを持っています。
社員旅行には、ただの娯楽以上の意味があります。ベトナム人社員たちにとって、海外旅行はまだ特別な体験です。インターネットでどれだけ情報が入っても、実際に行ってみないとわからないことがたくさんあります。そこで感じること、学ぶことは、必ず何かしらの形で彼らの人生にプラスになるはずです。加えて、社員同士の絆を深めることも目的の1つです。普段の仕事の場では見られない一面を知ることで、お互いの理解が深まり、職場の雰囲気も良くなります。仕事の効率も、こうした経験を通じて向上していきます。 私は、これからも仕事と福利厚生のバランスを取りながら、社員と一緒に成長していきたいと考えています。会社が成長するだけでなく、社員一人ひとりが「ここで働いてよかった」と思えるような環境をつくること。それが、私の目指す会社の形です。

ホテルの中では各自自由行動。プールでまったりと過ごしたいというスタッフが多かった

屋台で見つけたワニ肉料理店。同じ東南アジアでも食文化は大きく異なることを実感

夜になっても煌びやかな場所が多いタイ。夜遅くまで街を巡るスタッフもいた