2024年度の社員旅行のスローガンは、「愛をつなぎ、波を乗り越える強さ」。社員の家族も参加できたため、大規模なイベントとなった
旅のしおり
代表:松永 正彦さん(写真中央奥)
福岡県小倉市出身。2012年、在越日系企業「ライフタイムテクノロジーズ」の経営に参画。2016年8月に「モンスターラボ」とのM&A、2020年12月「アジアテック」との経営統合を経て、モンスターラボベトナムへと改名後に同社の現地代表へ就任。ポリシーは「笑う門には福来る。去る物は追わず、来る物は拒まず」。旅行は、家族と一緒ならどこでも楽しめるという。
住:4F Block C, Golden Palace Tower, Me Tri, Nam Tu Liem, Hanoi
電:024-3795-1025
https://monstar-lab.com
業務系のシステムやアプリを開発国内外で高品質のサービスを提供
モンスターラボベトナムは、2005年にハノイで設立され、北部の日系IT企業としては先駆けのような存在だった「ライフタイムテクノロジー」が前身です。同社に日本の「モンスターラボ」が資本提携して、グループ会社となったのが2016年。その後、ダナン拠点と合併して2020年に1社化し、モンスターラボベトナムが誕生しました。
ハノイとダナンの2拠点を統合し、当社を設立した背景には、これまでの開発実績や拠点ごとの強みを1つにまとめ、より競争力のある体制を築きたいという思いがあったからです。ハノイ拠点は請負開発やエンタープライズ案件に強く、ダナン拠点はアジャイル開発やスタートアップ案件に強いという、それぞれの得意分野を持っていました。それらを統合することで互いに補完し合い、さらなる成長を目指すことができると考えたのです。その結果、社員数は500人規模へと拡大し、広範囲かつ高難度のプロジェクトにも対応できる体制が整いました。
そんな中、私がベトナムへの赴任を決めたのは、同国市場の成長性と可能性に大きな魅力を感じたからです。ベトナムは近年、急速にIT産業が発展し、グローバルビジネスの拠点としても注目されています。特に、若い世代の優れたエンジニアたちが多く、技術力と意欲に満ちた環境が整っていることも決め手となりました。
スタッフの子どもたちもステージに参加し、歌と踊りを披露
ステージには謎の牛(?)も登壇。景品を受け取り喜んでいた子どもたちの姿が印象的
私の赴任以降は、現地のエンジニアと密接に協力し、彼らの技術力を最大限に引き出すことに注力しました。また、ベトナム国内でのビジネス展開においても、政府機関や企業との関係を強化し、現地での信頼を築いてきました。2021年には「納税優良企業」として表彰されるなどの結果を残し、現地社会に貢献できたことを大変うれしく思います。
当社は、これまでにさまざまな苦労を乗り越え、多くの成果を上げてきたと言えます。ハノイ支店には人数はあまりいませんが、離職率が低いことが誇りです。この成果は、効果的かつ明確な企業文化によるものであり、それが顧客に安心感を与え、提携関係を維持していただける理由にもなっています。ダナン支店は、同市における最初のIT企業の1つとして知られ、良好な評判を得ており、若い人材が多く集まってきます。一方で、全従業員がベトナム人であるため、両国の文化の違いや、日本の文化を理解するチームが必要という課題と、さらに2つの地域にある支店を統率しなければならないという難しさもあります。
今後も、そういった課題を克服しながら、当社を会社として維持し、解雇の状況に陥らないように心がけたいです。また、社員のエンジニアたちが新しい技術を習得し、仕事に運用することができるような、エンジニア向け技術研修プロジェクトなども積極的に提供していく予定です。
毎年変わる社員旅行のコンセプト大企業としての認知度向上に貢献
当社の社員旅行は、従業員の仕事で溜まったストレスを解消できる貴重な機会となっています。社員同士の交流も促進され、互いをより深く理解することができますし、会社への愛着や結束も高まります。日頃接することの少ない、異なる部門の人々とも交流が持てるため、協力体制もより強固になります。
当社の旅行のコンセプトは、まず1年目はハノイとダナンの2支店が合同で旅行することを前提として企画されました。2年目は、各支店で企画し、従業員の家族も参加できるスタイルを取り入れました。3年目は社員のみとして、チームビルディングに重点を置いた活発な旅行を実施し、社員の結束を高めることに成功しました。そして4年目となった2024年度は、ハノイ支社はハロン湾へ、ダナン支社はフエへ、同様のスケジュールで2泊3日の旅行へ行くことになりました。今年は従業員の家族、主に子どもたちの参加も認められたのが前年からの変化です。従業員が同僚の家族を知り、また家族にとっても会社の職場環境を学べる良い機会となりました。
ダナン拠点の行き先はフエ。食事はもちろん王宮料理
ダナン拠点のアクティビティはホテルの会場を貸し切って大々的に行われた
当社がこのように大きく企画する理由の1つに、旅行が楽しかったと社員が各所で話してくれることで、企業のイメージアップにも繋がるからです。実際、私も旅行から帰ってきた後は、本当に楽しい思い出ばかりが残っています。チームワーク力は高まりましたし、従業員の家族とも仲良くなれたので、全員が1つの家族になった気分を味わえました。最初は、子どもたちも楽しめるだろうかと心配していた部分もありましたが、無事溶け込めたようです。
来年は、再び社員のみの参加スタイルに戻してチームビルディングを行う予定で、全員が楽しめる、かつ健康にも良いプログラムを絶賛計画中です。実は、来年は予算を増やせる見込みなので、普段はいけないようなところに行ってみようと思っています。いつかは国内だけでなく、タイなど海外での開催もできるようになるまで成長させたいですね。異なる文化や技術を体験することで、きっと、仕事の能力や質を向上させることができるでしょう。
アイドル並みの歌唱パフォーマンスを披露し会場を盛り上げた、ダナン拠点のスタッフ
社員のために旅行を企画することは、会社にとってもはや当然のことです。会社が従業員にリラックスする時間を提供し、効率的に働いてもらうためのモチベーションを維持させたいのであれば、本腰を入れて計画すべきです。福利厚生については企業によってさまざまな意見がありますが、社員旅行を重視すればするほど、多くの良き結果を招くと考えています。もちろん重要なのは、多数の合意を得ることです。宴会を強要したり、アクティビティに無理やり付き合わせたりするのは良くありませんが、その企業に見合った計画を丁寧に立てることで、旅行の後の社内の雰囲気は劇的に変わることでしょう。