Dream Beans Coffee Roastery
ドリームビーンズコーヒーロースタリー

2018年、夫婦であるトゥアン(Tuan)さん(写真左)とフエン(Huyen)さん(写真右)が旧市街で開業し、2020年にトレインストリート近郊へと移転したカフェ「ドリームビーンズコーヒーロースタリー」。2023年10月現在は、トリップアドバイザー(TripAdvisor)で5点満点の評価を獲得するほどの人気店へと成長しました。今回は2人に、カフェのオーナーとしての心得やベトナムのコーヒー豆について詳しく語ってもらいました。

コーヒー豆の仕入れ先はココ!

★アラビカ種

コアクアダット農園/Qua Cua Dat Farm
住: Phieng Quai Village, Chieng Ban, Mai Son, Son La
電: 094-685-0688
FB: Qua Cua Dat Farm

プンコーヒー/Pun Coffee
住: Pun Hill, Km27 Ho Chi Minh Tay, Huong Phung, Huong Hoa, Quang Tri
電: 086-800-6989

Pun Coffee
ソンヴーコーヒー農園/Song Vu Coffee Farm
住: 54 Truong Son Village, Xuan Truong, Da Lat, Lam Dong
電: 093-374-8478

★ロブスタ種

ロブスタ農園/Robusta Farm
住: Ha Long, K’dang, Dak Doa, Gia Lai
電: 093-485-5576

住: 79 Ly Nam De, Hoan Kiem, Hanoi
電: 093-468-3020
営: 8:00~17:00
FB: Dream Beans Coffee Roastery
※ほかNguyen Sieu通りに支店あり

01. 生活でも仕事でも、共に歩みたい

Q: ドリームビーンズを開業しようと思ったきっかけを教えてください。

A: もともと2人ともサービス業で働いていましたが、夫婦二人三脚で人生の価値を生み出すビジネスを持ちたいと考えて、焙煎に特化した小さなカフェを起業することを決めました。2人は同い年で個性が強いというのもあり、当初は手探りで運営していたので、力を合わせて上手く仕事ができるようになるまでに2年もかかりました。

大学で出会い、結婚するまで至ったトゥアンさんとフエンさん

02. 「自然さ」にあふれる店づくりを意識

Q:おいしいコーヒーを飲みながらゆっくりくつろげる空間ですね。内装デザインやメニュー作成は、どのような点にこだわっていますか?


A:「自然さ」を作り出すことを目指していて、お客さんに冷たくて堅苦しいと感じさせず、自然に歓迎されるような居心地の良い空間づくりを心がけています。インテリア会社には依頼せず、店内のデザインや照明から家具の選定まですべて自分たちで行っています。シンプルなので、全然洒落てないと言われることもありますが(笑)。カウンターも、実際に使うのはバリスタなので、夫婦2人で採寸して設計しました。見た目は地味なのですが、機能はばっちりです。
 メニューはオシャレにアレンジした流行りのドリンクより、そのままのブラックや、エスプレッソをベースとしたコーヒーなど、毎日飲んでも飽きない身近に感じるデイリーな飲み物を提供するようにしています。

フエンさんが淹れてくれたカプチーノは、かわいらしいカップに入れて提供

あらゆる年齢層のベトナム人に愛される路上の空間も充実

03. 誇るべきベトナム産コーヒー豆に焦点

(左)プンコーヒー農園で新規植樹の様子(右)2023年ベトナムスペシャルティコーヒーコンテストで優勝したアラビカ種は、ハンドドリップがおすすめ

Q:ハノイでは、エチオピアやブラジルといった有名原産国のコーヒー豆を使用するカフェが主流です。ベトナム産の豆を主に
扱っている理由を教えてください。

A:自国のベトナムの農産物に敬意を払いたいという思いが強いですね。当店では外国人のお客さんも多いので、ベトナムでも美味し
いスペシャルティコーヒー豆を作れることを広く知ってもらいたいです。ベトナムは土壌の質や伝統農法がスペシャルティコーヒー豆の栽培に適しておらず、理想的な生産環境がまだ整っていません。こういったベトナム産の豆は、他国の豆と比べて香りを引き出すのが難しいので、上手く焙煎できたときの達成感が大きいのです。
 近年は、新しい知識と方法を学び、栽培に応用しようと努力する農園が増えてきています。ベトナムの豆を使うメリットは、地理的に距離が近くいつでも新鮮な豆が手に入ることです。アラビカ種はソンラー(Son La)省、クアンチ(Quang Tri)省、ラムドン(Lam Dong)省、ロブスタ種はザーライ(Gia Lai)省の農園から生豆を仕入れています。

(左)コアクアダット農園で栽培されるコーヒー豆の木(右)エスプレッソに適したソンラー省のアラビカ種コーヒー豆

04. 生豆の扱いは、細部にまでの気配りが不可欠

Q:生豆の選定と焙煎におけるポイントは何ですか?

A:提携している農園のコーヒー豆栽培では、バガスと有機肥料が使われ、収穫は脱穀ではなく手摘みで行います。この方法だと時間がかかり収穫量が少ないですが、完熟したコーヒーの実を確実に品質管理することができます。
 焙煎方法を習い始めて驚いたのは、実践よりも理論的な授業の方が大切であることです。化学の知識を十分に身につけ、コーヒー豆の性質や、温度と豆の化学成分の関係を徹底的に理解する必要があります。そうすれば、どんな種類の豆でも焙煎できるようになります。

自家焙煎のほか、ベトナム国内のカフェにもコーヒー豆を卸している

パッケージには原産地や焙煎日、テイスティングノートを詳しく記載

05. ドリームビーンズはまるで私たちが産んだ子どものよう

Q:今後の目標、やりたいことなどはありますか?

A:以前は、店の3階に焙煎機を設置していましたが音がうるさいので、お客さんの迷惑にならないよう焙煎専用の場所へと移しました。また、フランス植民地時代に建設された旧市街にある2階建てを改修し、昔と今をつなげたような空間で気軽にコーヒーを楽しめる「ザ・リトルコーナー/The Little Corner」という支店を新しくオープンしました。
 ドリームビーンズは、一緒に育ち、決して見捨てることない自分たちの子どものような存在です。今後とも、サービス品質をより向上させ、良い価値を生み出せるように頑張ります。私たちが淹れる1杯のコーヒーで1日のエネルギーを補給し、来てくれたみなさんを笑顔にし続けることができれば、それだけでも十分にうれしいです。

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