もうすぐベトナムの正月、いわゆるテトがやってきます。ベトナムでは旧暦での正月になります。つまり中国の春節と同じ旧正月です。旧正月は西暦のカレンダーで見ると毎年大きく前後します。2023年の元旦は1月22日(日)です。この前後の期間、約1週間が連休。例年は2月の前半が多いので、今年は少し早いですね。ベトナムは日本に比べて祝日のお休みがとても少ないので、このテトの長期連休はベトナムの皆さんにとっては何より大事な楽しみです。日本人の感覚では餅代を出すからテトは出勤してもらってと割と軽く考えがちですが、ベトナムの皆さんにとってそれはかなり厳しい要求で、まずテトの期間は働いてもらえないと思っておいた方が無難です。都市部で働いている人は日本と同様、田舎から出てきている人が多いので、当然実家に帰ります。とにかく家族を大事にするベトナムの皆さんですから、休みというよりも、家族と過ごす大事な時間という意味合いが強いです。都市部は人が減って閑散としており、 お店などもほとんどがお休みになります。最近の日本では三が日や松の内を待たずに3日から営業するお店も増えていますが、ベトナムではまだまだ正月はきっちり休むという感じです。といっても数年前に比べるとテト期間中でも車の通りが多くなってきたり、開いているお店も増えてきてはいます。今年はどんな感じになるんでしょうか。
良いお年を、新年おめでとう
西暦における1月1日は、ベトナムでは1月1日のみが祝日で、後は平日です。今年は曜日の関係で2日が振替休日になりますが、基本は元旦のみお休みで、新年おめでとうという感じにはなりません。待ちの飾りなどもクリスマスの飾り付けとテトを祝う飾り付けがごっちゃになっているので、それがそのまま飾られていると言うケースが多いです。ベトナムではこの時点でまだ年末なんですね。
テトを前に、ベトナムの皆さんに「良いお年を」「新年おめでとう」とベトナム語で言ってみたくなりますよね?ベトナム語で「良いお年を」は、 「Chúc bạn ăn Tết vui vẻ nhé」等のように言います。これは直訳すると「貴方がテトをおいしく食べる事を祝う」となります。Chúcが祝う、ănが食べると言う意味です。え?テトを食べる?なんか不思議ですね。実際には「テトを楽しく過ごしてね」の様に捉えて良いでしょう。ベトナム語ではこの「食べる」という意味のănと言う単語を使った表現がたくさんあります。このあたりのお話は私のYouTubeチャンネルで紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
ちなみにカタカナで書いて欲しいと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、ベトナム語のカタカナ発音は絶対に通じません。「テト」 もあえてカタカナにするなら、「テッ」かつ語尾を上げるように発音します。実際の発音が気になる方は、こちらもチャンネル内の動画で紹介しています。
もう一つの「新年おめでとう」は「Chúc mừng năm mới」と言います。Chúcは漢越語で「祝」です。 Chúc mừngで「おめでとう」と言った意味になります。nămが「年」、mớiは「新しい」、つまり新年です。こちらはシンプルですね。ぜひ覚えて周りのベトナムの皆さんにベトナム語で挨拶してみて下さいね。
テトの前は渋滞に注意!
テトの前になると日本の年末と同様、街はざわざわと忙しい感じになっていきます。通りではテトの飾り付けを売っていますし、それをバイクにくくりつけて持って帰る。よく見る光景です。先ほど紹介した都市部から田舎に帰る人たちは、たくさんのお土産を買って帰ります。田舎で買えない物、珍しい物、めでたい物。田舎で待つ両親、子ども、親戚にも!とにかくたくさんのお土産を山のように抱えて帰省します。その買い出しもあって、とにかくテト前、つまり月の中頃から渋滞が激しくなります。「ちょっとそこまでお昼を食べにタクシーで」なんて言うつもりがたどり着けなかったり、お昼休みでは済まないぐらい時間がかかったり。人との約束がある場合は自分もそうですし、相手も大幅に遅れて登場。なんてこともあるので、気をつけて下さい。
著者
Kaz
プロフィール
1970年生まれ
日系ベトナムIT企業現地採用ITアドバイザー
静岡県浜松出身
ベトナム語独学歴3年半
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