あると便利なバイク生活
Walking Vietnam誌をご覧の皆さんは、 ベトナム旅行や出張、あるいは長期滞在、いろいろな理由でベトナムを訪れていると思います。その際、滞在中は移動が必要になりますよね。食事、観光、ショッピング、あるいは仕事場へ。様々な移動手段がある中で、最も一般的なのはタクシー、あるいはGrabといった配車アプリでしょう。
タクシーは日本と比べてずいぶんと安く、気軽に利用できるのですが、まず捕まえるのが大変ですし、行き先を伝えるのも苦労します。現金での支払いはベトナムドンの桁が多くて混乱しますし、なかなか気苦労が絶えません。中にはメーターがものすごい勢いで
回るぼったくりもあります。Grabなどの配車アプリを使えば、タクシーよりは捕まえやすくなりますが、今度はドライバーが素人なので、道に迷ったり、近くまできたと思ったら一方的にキャンセルされたり、朝夕のラッシュはこれまたなかなか捕まらなかったりして、やっぱり大変です。
もし自分でバイクを運転できたら?こんな苦労からは解放されて、自分が出かけたいときにいつでも自由に、どこへでも行けます。最近はベトナムの経済発展によって、若い人でも車を持つ人が急激に増えています。でもまだまだ主役はバイクです。
都会ではもはや名物とも言えるバイクのラッシュ、交差点での先を争っての侵入などで、日本に比べると正直言って安全とは言いがたいのですが、朝夕の通勤時間帯を避ければ比較的なんとかなります。私自身、ベトナムでバイクを運転するようになってそろそろ3年たちますが、今のところ危ない目には遭っていません。
ベトナムでバイクを運転するには?
バイクの運転には免許が必要です。ただし、現在のベトナムでは50cc以下のバイク、いわゆる日本の原付と電動バイクは免許が必要ありません。50ccを超えるバイクの場合は免許が必要になりますが、日本でとった国際免許は使えません。道路交通に関する国際条約が日本はウィーン条約、一方のベトナムはジュネーブ条約に加盟しており、条約と異なるからです。そのため、日本人がベトナムでバイクを運転する場合は、ベトナムのバイクの免許を取得する必要があります。
といっても、ベトナム語で学科の試験なんて無理ですよね。でも大丈夫です。日本人がベトナムの免許を取得する方法は2通りあります。いずれの場合も、ベトナムで滞在するためのビザが3カ月以上あることが条件です。観光ビザなどで入国している場合は、残念ながら免許の取得はできないので、50ccのバイク、または電動バイクのどちらかになります。
3カ月以上のビザや一時滞在許可証があれば、まず1つ目の方法として、日本でバイクの免許を持っている場合、その免許の内容をもとに、ベトナムの免許を発行してもらうことができます。免許の切り替えと呼ばれます。このとき、日本の免許は小型二輪以上の二輪免許を持っていることが条件です。自動車免許におまけでついてくる原付免許は不可です。ベトナムのバイクの免許は排気量で分類されていて、A1が175CC未満の自動二輪、A2が175cc以上。日本で大型二輪の免許を持っていれば、A2免許に切り替えることもできます。
日本の自動車免許はあるけど、バイクの免許は持っていない。でも、ベトナムで運転したい!という方には、もう1つの方法があります。まずは一旦、日本の自動車免許をベトナムの自動車免許に切り替えて、その後にバイクの実技試験を受けてA1も取得する方法です。ここでも条件があり、日本の自動車免許がAT限定の場合は、ベトナムの自動車免許に切り替えることはできませんので要注意です。
免許取得の流れ
日本の免許を基にベトナムの免許を取得、いわゆる切り替えは、まず日本の免許の免許をベトナム語に翻訳してもらいます。これは公証役場、あるいはその権限のある飜訳を行ってくれる会社に依頼します。値段は500円程度から数千円と言った具合で、かかる期間や依頼する場所でかなり幅があります。飜訳が取得できたら、パスポート・ビザあるいは滞在許可証、念のため日本の免許証のコピー(申請時提出)と原本(申請時提示)を持って交通運輸局に出向いて、申請書を記入、切り替え申請を行います。
バイクの免許を持っていて直接切り替える場合は、これで手続きは終わりです。取得にかかる期間は5営業日となっていますが、結局2週間ほどかかることもあるので、予定がある場合は、余裕を持って手続きをした方が無難です。
一方、車から切り替えてさらに実技試験を受ける場合。これは免許取得を手伝ってくれる会社などに依頼をして試験を受けられるようにしてもらいます。日本語はもちろん、
英語も通じないので、日本語ができるベトナムの方に手伝ってもらうのが無難です。実技試験は8の字や波状路などがありますが、それほど難しくはないようです。ただ8の字はなかなか細くてバイクに不慣れな方にはちょっと難しいかもしれません。事前に練習しておくことを強くおすすめします。試験場のそばなど、歩道に試験と同じ8の字が書いてあって、そこで練習している人がたくさんいます。
気をつけてバイクライフ
冒頭でお話しした通り、バイクの運転は、日本と比較すると危険な部分が多いことも確かなので、自己責任でご判断下さい。車やバイクは右側通行で日本とは逆です。特に慣れないうちは右左折のタイミングでうっかり反対車線に入ってしまう、といったこともあるので気をつけて下さい。とにかく飛ばさないこと。都市部は混雑がひどく特に危険なので、朝夕のラッシュ時は避けて、空いている時間帯に少しずつ慣れるようにして下さい。
最近は車が増えたので、複数の車線がある場所ではバイクは路肩寄り、つまり左側の車線を走るのが暗黙のルールまたは標識で指示されています。車もかなり運転が荒く、クラクションも頻繁にならします。張り合ったりしないで道を譲って下さい。ベトナムでは大きい車両ほど優先。歩行者は一番最後です。命に関わるので郷に入っては郷に従うのが大事です。
バイクの入手方法ですが、まずはレンタルバイクで試すことをおすすめします。1日20万VND(約1200円)前後が相場のようです。長期滞在で自分のバイクが欲しい!という方は、日本人同士の「売ります・買います」の掲示板などで、(帰国が決まってバイクを手放したい)日本人から買うのが一番安心です。それ以外は中古車屋さん。中古はピンキリで変なのを掴まされると大変です。ベトナム現地の日本語が話せる男性に付き添ってもらうことをおすすめします。
私のチャンネルでは、バイクを買いに行ったり、見に行ったり、壊れて修理に行く様子なども紹介していますので、気になる方はぜひ見に来て下さい。
著者
Kaz
プロフィール
1970年生まれ
日系ベトナムIT企業現地採用ITアドバイザー
静岡県浜松出身
ベトナム語独学歴3年半
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