在ダナン商工会議所事務局兼イベント会社兼野球普及活動家の有馬章二さんが、ダナンで開催されたイベントレポートなどを隔月でお届けします。
FB: shoji.arima




まるで日本の伝統的なお祭り会場
 ダナン外国語大学の日本語学部日本文化学科と在ダナン日本商工会議所が共催する夏祭りが、2025年8月23日にダナン外国語大学で開催されました。同イベントは今年で3回目。日本語を学ぶ日本語科の学生に日本の祭りを見せたいと、開催当時の大学にいた先生が発起人となり始まったイベントです。在ダナン日本商工会議所は協力という形で携わりつつ、イベント全般の運営自体は同大学の学生による実行委員会が行っています。学生にイベントの企画運営を経験してもらうことが目的で、インターンシップとしての位置づけにもなるため、学生にとっては一石「数」鳥のイベントとなっています。
 同祭りのメインコンテンツは、この時期となるとやっぱり盆踊り!ダナンは世界遺産の街ホイアンと隣接しており、かつての朱印船貿易時代には日本人街が存在し、当時は現在のダナンに住む日本人と同程度である約400人の日本人が住んでいたと言われています。その太古のご先祖さまにも帰ってくる場所をお知らせしたいというテーマも、個人的には持っています。もう一つのテーマとしては、天照大御神にも御来ダナンしていただき、もうすぐ到来する雨季が少しでも遠のき、晴れることを祈るためでもあります。と、少し話が脱線してしまいましたが、夏祭りや盆踊りの起源、精神性を大事にしながら、盆踊り以外にも、日本語の歌コンテストやバスケットボール大会も実施しています。
ベトナム一日本らしい空気感
 夏祭りの会場は、普段目にしている大学のグラウンドに設けられました。テントややぐらが作られていくたびに、ワクワク感が募っていきます。全体が完成すると、そこに浮かび上がる風景は少し薄暗く、何とも言えないノスタルジーも感じられるような、味わい深い明るさとなりました。やぐらの真ん中には和太鼓が設置され、その周りには踊りを覚えた浴衣を着た学生数人が踊り、やぐらの下を日本人や日本語科の学生たちら大人数が輪を作りながら練り歩きました。ド派手で大盛り上がりするようなものではありませんでしたが、これこそが伝統的な日本のお祭りだと言えるものでした。
 日本語の歌コンテストは、同大学の学生だけでなく、他大学の学生や社会人などが参加し、ハイレベルな歌合戦となりました。審査委員は大学の副学長、日本総領事館総領事、在ダナン日本商工会議所会頭、そしてインフルエンサーのベトナム君が務め、華やかな並びとなりました。ベトナム君にはさらに、スペシャルゲストライブを行ってもらい、さすがのパフォーマンスでした!
 バスケットボール大会は、在住日本人とダナン外国語大学バスケットボール部の部員が戦う形式となり、新しい友情が築かれました。また、飲食ブースには在ダナンの日系飲食店に出展いただき、学生にとっても日本食に触れられる機会となりました。多くの企業にとっても、良きPRの機会になったのではないでしょうか。





