悠久の歴史を持つドゥオンラム村

ベトナムには独自の民族文化や数千年の歴史を持つ村がいくつもあり、それぞれ違った体験ができます。今号では、ハノイから比較的アクセスしやすい、伝統を守り発展してきたドンラム村を紹介します。

　ハノイの市内中心部から北西へ約50km。ソンホン川の南岸に位置するドゥオンラム村は、ベトナムで初めて村全体が国家歴史文化遺跡として認定され、ベトナム人からも日帰りの旅行スポットとして知られています。
　村の門をくぐると、黒ずんだ赤レンガの塀や藁を使った屋根、木造建築の建物などが目に入り、村外の風景とは大きく異なっているところに歴史を感じます。１本の道を中心として住宅が並び、家の作りや築年数などは様々。敷地に
入ると、抽象画を展示する家や骨董品を作る家、農作物を販売する家など建物ごとに違った趣を感じられ、村ならではの統一感と家ごとの特色に感動します。村の中心へと進むにつれて建物の築年数が長くなり、中には1000年を超えるものや内装が当時から変わらないものまで多くあることも特徴です。
　村人たちは、村の歴史や文化を丁寧に説明し、観光客に対して優しく接してくれるところも印象的です。時間がゆっくりと過ぎて行き、まるで里帰りしたかのような安心感に包まれながら歴史と文化を学べます。