線香作りが100年以上続くクアンフーカウ村

ハノイ市内中心部から南へ約35kmのところにあるクアンフーカウ村は、伝統的な線香を製造している場所として知られており、線香村とも呼ばれています。カラフルな色に染められた線香を扇状に広げて乾燥させている光景は、まるで村人たちの手仕事が生み出す1種のアート作品のようです。

村内では撮影用にベトナム伝統の帽子「ノンラー/Non La」を無料で貸し出してくれる

 クアンフーカウ村に到着すると、道端や軒先などあらゆるところで鮮やかに色付けされた線香が並んでいます。しかし、観光客向けに公開している工房は数えられるほどしかありません。村内には撮影スポットが用意されており、そこへの入場料は1人5万VND。内部には写真撮影用の脚立や足場、椅子などが用意されています。追加で10万VNDを支払うと、スタッフがポーズや撮影場所を提案してくれるほか、より多くの写真や動画を撮影できるようになります。
 村に大輪の花が咲いているような、線香の美しい光景が見られるのは、線香の原料である竹の軸を様々な色に染めた後の乾燥作業に入った時期。特に見頃となるのが、毎年12月〜1月頃です。この時期は旧正月テト(Tet)が近づき、線香の需要が1年で最も高まるため、村全体が活気づき、天日干しされる線香の数も多くなります。晴天が続く日には、村のあちこちでこの華やかな乾燥風景を見ることができ、写真撮影や見学に訪れる観光客でにぎわいます。
 複数の旅行会社が提供する特別ツアーに申し込むと、線香の製造工程を間近で見学できるほか、実際に染色や香料付けなどの製造体験もできます。村内の撮影スポットは基本的に24時間開放されていますが、夕方以降は立ち入りが制限される場合もあります。明確な閉業時間は設けられていないため、遅い時間の訪問は控えるか、日中の見学をおすすめします。

線香でベトナムの国土・国旗を象った撮影スポットの1つ
線香の原料となる竹が工房に運ばれ、それを細く割って棒状に加工される
線香の多くは、ベトナムで幸福や繁栄を象徴する赤色に染められる

住: 429 Bau, Ung Hoa, Hanoi

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