即興演劇センター「ザ・インプロヴ・ハブ」代表レー・キム・タイン(Le Kim Thanh)さん

即興演劇センター「ザ・インプロヴ・ハブ」代表
レー・キム・タイン(Le Kim Thanh)さん

1994年生まれ。ハノイ出身。2023年にベトナム初の即興演劇フェスティバルを主催し、同年に即興演劇センター「ザ・インプロヴ・ハブ/The Improv Hub」を創設。ベトナム語、日本語、英語、フランス語の4カ国語が堪能。
Facebook: The Improv Hub – Kich Ung Tac
Website: www.improv.vn

個人の趣味を本格的なビジネスに変換演劇を通じて国境を越えた笑いと感動を

授業の改善方法を模索して新たなパッションを発見

ハノイ外国語大学を卒業後、国際交流基金ベトナム日本文化交流センターで日本語教師として働いていました。より面白い授業を提供するために、グループワークの設計や想像力を掻き立てるのに役立つといわれる即興演劇に挑戦しようと思い、2018年にコメディグループ「ザ・ロッテン・グレープス/The Rotten Grapes」の体験レッスンに通いました。学べば学ぶほど興味が強くなり、趣味にとどまらず本格的に活動を続け、グループの代表を務めるまでになりました。
 
1年が経つころには、腕を磨きながら指導や演出もできるようになり、ベトナムの歌手、ジャズダンサー、そしてベトナム各地のコメディグループとのコラボ企画を実施し、さまざまな芸術要素を盛り込んだ即興演劇を披露できました。2023年5月には、日本、中国、シンガポール、フィリピンを含む10カ国から120人のインプロバイザー(即興演奏者)が集まった「ベトナム・インプロヴ・フェスティバル」を仲間たちと主催。22組が出演する8つのショーと11のワークショップがあり、1000人近い観客を迎えました。世界中の色々な人と触れ合い、一緒に笑顔になれるのはとても素敵な思い出となりました。

世界のインプロヴをベトナムに次はベトナムから世界へと展開

即興演劇を本格的なビジネスとして展開するなら、経営における知識を深めなければならないと感じました。そこで、2021年に
日越大学の奨学金の支給を受けて経営学修士課程に進学し、2023年末に卒業見込みです。ちなみに、修士論文のテーマは「ベトナムにおけるマネジメントへの新たなアプローチとしての劇場型ビジネストレーニング」です。
 
今後とも国際規模のイベントに参加し、世界中の即興演劇達人から学び、ベトナムのインプロヴを知ってもらうことができればうれしいです。2022年9月にシンガポール、2023年9月にマニラで出演したほか、12月に開催されるキャンベラ・インターナショナル・インプロヴ・フェスティバルにも招待いただいたので、ワークショップの指導やショーの演出に携わる予定です。

即興演劇コースの実施やインプロバイザーの交流の場を提供する「ザ・インプロヴ・ハブ」では、ワークショップやイベントを引き続き開催する予定です。ベトナム語だけでなく英語も可能なので、日本人の方でも参加しやすいです。ハノイにいる間はぜひインプロヴを体験し、一緒に笑いましょう。

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