日本のカップルは「付き合った日」を記念日としている人もいますが、ベトナムではその日を記念日としているカップルはほとんどい
ません。基本的に記念日好きなベトナム人なのになぜ?と思いますが、これもベトナム人の恋愛プロセスを理解すると納得できます。今
回はベトナム人が恋人関係になるプロセスについて書いていきます。
始まりが曖昧な恋愛関係
日本の場合、どちらかが告白して受け入
れてもらった日が「付き合った日」となり、
多くの日本人カップルはこういった形で恋
愛関係をスタートさせるので、付き合った
日も日付的に明確にしやすいのが特徴です。
一方のベトナム人は、告白してすぐに恋
愛関係になるかというと、必ずしもそうで
はない恋愛文化があります。男性から告白
するのが一般的で、告白を受けた女性は
その場ではっきりした態度を示さないこと
も多く、「私のことを好きだというなら態度
で見せてもらいましょうか」といった感じで、
男性がアプローチを続ける期間がしばら
く続きます。
恋人になったという判断は?
アプローチを続けても、女性から改めて
「じゃあ付き合いましょう」という合格通達
をされることはありません。プロセスの中
で相手(女性)がどれだけ自分に心を許し
ているかというのを男性自身が判断して
いくことになります。この見定めの正確性
は恋愛経験値によるところが大きいです
が、こんな感じで徐々に恋愛関係が成立し
てくことが多いので、明確に「〇月〇日か
ら恋人関係になりました」とは言いにくい
関係性となっています。
ちなみに、脈があろうがなかろうが曖昧
な態度をとるベトナム人女性は多いので、
基本男性は肉食の押し一辺倒にならざる
をえません。明らかに脈がないにも関わら
ずしつこくアピールを続けると、所謂「女心
の分からない男」という烙印を押されてし
まいます。
結婚を前提とした恋愛
恋愛観念も現代化が進む一方、依然とし
て恋愛は結婚を前提としているものと考
える人は多いです。なので、女性からすると
将来的に一緒に家庭をもつことになるか
もしれない相手になるわけですから、最初
の段階で慎重になるのも頷けます。ただ、
この時点では男性の甲斐性云々よりは自
分をどれだけ愛してくれそうかという見定
めがメインとなるわけで、この時だけレデ
ィファーストに徹する男性も多いものです。
結婚後にレディファーストはなくなり、「あ
の時はあんなに親切だったのに!」という
ベトナム人女性の愚痴を聞くこともしばし
ば。そんな愚痴を笑いながら喋っていれば、
その家庭は良好だと言えます。
著者
稲田 琢磨
SESSA VIETNAM CO.,LTD代表
プロフィール
ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com