リンラン通りエリアの日系和洋食店といえば「鶴屋」と言われるほど、日本人にはなじみの深い居酒屋が、2024年6月で開業7周年を迎えました。人気の秘訣は、日本人のオーナーシェフである平山さんが自ら調理し、味のブレを許さず、最高品質を追求していることが挙げられます。今回はその7周年を記念して、平山さんに開業からこれまでの経緯と今後の展望、あわせて同店の絶品グルメ情報についても伺いました。
鶴屋オーナーシェフ
平山良一さん(写真左)
東京都出身。服部専門学校を卒業後、西洋料理店「代官山小川軒」でホールや前菜、裏方、デザートを担当。その後はイタリア料理、フランス料理、婚礼、居酒屋、地元のレストランシェフを経て、来越し「鶴屋」を開業。現在はベトナム人の妻と看板娘(写真右)の3人が中心となって、家族で楽しく運営している。
自身の強みと独自性を追求差別化戦略で成功した洋食の老舗
当店は2017年6月5日にオープン。開業後しばらくは日本食や焼き鳥をメインとして提供していました。その時はホールスタッフを含めて、オーダーミスやオペレーションがうまくいかず、なかなか苦労したものです。また、日本では想定できないような、たとえばエアコンが壊れるのはまだかわいい方で、下水や水漏れが起こったり、特に困ったのは営業中に配電版がショートしてプチ爆発があったりと、本当に大変なことばかりでした。おそらく、オーナーではなかったらとっくにメンタルは壊れていたでしょう。一方で、食材や厨房設備などは、妻の友人である日本料理店「まんぷく亭」のご夫妻と一緒に、中国まで買い付けに行ったこともあります。良くも悪くも日本では経験できないような事ばかりで、何もかもが刺激的でした。
その当時のリンラン通り付近には、日本食といえば1つの店舗で200も300もメニューがあり、寿司、カレー、ラーメンと何でもあるのが主流でした。オープンして2カ月が経った頃、思い切って自分の得意な洋食をベースにしたメニューへと少しずつ変えていきました。たとえば、ハンバーグやオムライス、パスタを提供している店は見当たらなかったので、当店でしか食べられない料理を提供していくようにしました。中でもレーズンバターは、お客様からどこで売っているのかと聞かれたことがあり、手作りだと伝えるとかなり驚かれました。
開業当初の鶴屋。現在の場所ではなく60 Linh Langにあった
家族の協力もあり、店内はアットホームな雰囲気が漂う
レーズンバター以外でも、現在の人気定番メニューとなった鶏餃子鉄板焼きやアンチョビキャベツ、ガリトマトなどは、仕込みから調理、提供までを、私とサポートスタッフの2人でほぼ100%作っています。過去にはキッチンスタッフに調理してもらっていたことがありましたが、多店舗展開しない限りは自分ですべてやりたいという想いもあり、結局、自ら行うようになりました。そこへのこだわりは、他店とは少し異なるところだと感じています。
現在は、52 Linh Langへと移転し、2020年にリニューアルオープンしました。しかし、その2、3週間にはハノイで新型コロナウィルスの感染症拡大が直撃。一時休業を余儀なくされ、デリバリーでしか対応できなくなった際は、フードデリバリーアプリ「キャピチ―/Capichi」のおかげで何とか持ちこたえることができました。その時が新規開業だったら、店も心も潰れていましたね(笑)。 改めまして、今回は日本人オーナーである同業者の方々、足を運んでくださるお客様のおかげで、無事7周年を迎える事ができましたことをお礼申し上げます。将来的には飲食店を増やしていくのではなく、自然な環境の中でしか体験できないような場所を作りたいと考えています。今後ともご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
平山さんも激推し!鶴屋オーダー数 T O P3
鶏醤油唐揚げ
(7万VND、7周年特別価格)
醤油風味の唐揚げです。鶏肉はオリジナルのつけだれに12時間も漬け込み、衣は粉からブレンドして味付け。二度揚げすることで、カリっとジューシーに仕上げています。
牡蠣フライ
(12万VND)
新鮮な牡蠣を片栗粉で綺麗に洗い、下処理を丁寧に行っています。1皿には8 ~9個あり、ボリュームも満点。刻んだ玉ねぎを入れたタルタルソースはオリジナルです。
アンチョビキャベツ
(7万VND、7周年特別価格)
キャベツは塩もみをして水を抜き、そこに味を入れています。アンチョビは火を入れて臭さを飛ばし、ニンニクオイルで炒めています。
Info
鶴屋ハノイ/ Tsuruya Hanoi
住:52 Linh Lang, Ba Dinh, Hanoi
電:085-886-3619
営:月~金曜11:30~14:00/17:30~22:30、土・日曜・祝日11:30~21:30
LO:月~金曜13:30/22:00、土・日曜・祝日21:00
休:不定期
FB:Tsuruya Hanoi 鶴屋ハノイ
IG:tsuruyahanoi.official