ベトナム料理といえば、フォーなどの麺類や香草を使ったあっさりしたものがイメージされやすいですが、実際は油をたっぷり使ったこってり料理もたくさんあります。また、ベトナム料理ではニンニクがよく使われ、家庭料理でも定番の食材となっています。今回はそんなニンニクを使ったベトナム料理とベトナム人について書いていきます。
ベトナムでニンニクを食べる機会
ベトナムの炒め物料理には、大概ニンニクが使われています。それ以外にも食材の下拵えや調味料などにもよく使われているので、ベトナム料理を日常的に食べている場合、ニンニクを口にする機会は日本にいるときより確実に多いと言えるでしょう。お隣さんが「ちょっとニンニク分けて!」と私の家にお願いにきたこともありまして、それぐらい家庭に常備されている食材なのがうかがえます。このニンニクがあっての美味さなわけで、ニンニクが好きだと答えるベトナム人は男女を問わずたくさんいます。ちなみにベトナムではすり潰したニンニクではなく、丸ごと、または細かく切り刻んだものを使用するのが一般的です。
ニンニクの臭いは気にしない?
そんな感じで普段から日常的に食べられているニンニクは、日本人ならやはりその臭いが気になるものです。これから人と会う予定があるからニンニクが入っている料理を控えたり、臭いを抑えるようなケアをしたりする行為は、日本ではよくあることです。飲食店でもニンニク無しの餃子が提供されたり、注文時にニンニクを入れるかどうかを聞いたりするのは日本ならではでしょう。一方、ベトナム人と話していると、そのニンニクの臭いが日本人ほど気にならないそうです。ニンニク独特の臭いは認識しているらしいのですが、他人のニンニクの臭いに対して日本人が感じるような不快感はそれほどないと言います。そういう環境で生まれ育ったので、臭いに対する免疫があるのかもしれません。
過去の体験
このように、ニンニクの臭いに対して大らかな(?)国民なので、私自身ニンニクの口臭で辟易としたことが何度かあります。例えば、サービス業で接客を受ける際にちょうど昼食時ぐらいの時間だったので、直前にニンニク料理を食べたのでしょう。声をかけられた際に「ニンニク臭っ!」となったことがあり、せめて接客サービス業はその辺りの注意をしてほしいなと思ったものです。この部分については、個人の意識による差が大きいと感じられます。一応ベトナム人の名誉のために書いておくと、平均的にオーラルに対する意識はそれなりに高く、歯列矯正やホワイトニングなどの歯科美容も盛んです。日常的に歯をしっかり磨く習慣がありますので、不衛生が原因での口臭は、日頃ベトナム人と接していても特に感じることはありません。
著者
稲田 琢磨
SESSA VIETNAM CO.,LTD代表
プロフィール
ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com