ベトナムで相手の年齢を聞くのは失礼?

ベトナムにも戦争の歴史があり、それを経て現在のベトナムがあるのは誰もが知るところです。博物館には過去の戦争についての展示物がたくさんあり、当時の様子を詳しく知ることができます。同じ戦争でも、国や立場によって描写の仕方は変わってくるもので、そういったところを比較しながら見ていると中々興味深く感じることがあります。今回は、ベトナムにおける過去の戦争について感じたことを書きます。



ベトナムの戦争過去

「独立を勝ち取り、他国の侵略を阻んだ」。建国記念日によく聞かれるフレーズで、独立・自由・幸福はベトナムでの戦争における大義と言えるでしょう。戦争経験世代は徐々に減っていますが、国民が一致団結してこれを成し遂げたという自負は現代にも受け継がれており、このことが祖国に対する誇りや愛国心に繋がっているようにも思われます。一方、日本は敗戦国という形で戦争を終えていますので、国のために戦った英霊に敬意を示しつつ、もう戦争は絶対にしないという「平和」が大きく取り上げられます。それぞれの戦争の中身が違うので単純比較はできませんが、戦争を終えた後の着地点の違いを感じるものです。

@Dantri

アメリカとの戦争

ベトナム戦争(越⇔米)の博物館はベトナム、アメリカそれぞれにありますが、両国の博物館に足を運ぶとその描写の違いを実感します。ベトナムでは最終的に大国アメリカを撤退に追い込んだ勇敢さを紹介すると共に、戦術の説明や枯葉剤の影響、米軍の兵器に対する被害などを大きく取り扱う一方、アメリカでは密林のゲリラ戦術にやられた米兵の様子や帰還兵の精神的な後遺症が取り上げられているなど、同じ戦争でもまた違った印象を受けたものでした。勝ち負けは別としてどちらの国でも犠牲者が出ている事には違いありませんので、やはり戦争は悲惨なものであると改めて考えさせられます。

@Giaoducthoidai

女性の活躍

ベトナムを語る上で必ずと言っていいほど登場するのが女性で、戦争においても女性の活躍は大いに取り上げられています。裏で男性兵士を支えたというより、実際にライフルを構えていたり迫撃砲を準備していたりする資料などが博物館などで見られるので、それこそ女性兵士として一緒に戦っていたことが分かります。私もいろいろな国で戦争に関する博物館を訪れましたが、ここまで女性が前線に立って戦っているのを見たのはベトナムだけかと記憶しています。ハノイにはそんなベトナム人女性を称えた女性博物館たるものがあり、こういった類のものがあるのもベトナムならではでしょう。

@Giaoducthoidai

著者

稲田 琢磨

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

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