12月に入り、街でもクリスマスのデコレーションが目立ってきました。私がベトナムに来た10年程前の頃と比べると、オシャレなクリスマスデザインをしたカフェや商業施設が増えたように感じます。ちなみに、ハロウィーンもここ数年で一気に浸透し、かつては伝統的な日だけ祝っていたベトナムも、現在はより華やかになりました。今回はベトナムのクリスマスについて紹介します。
クリスマスとは言わない?
私たち日本人は「X‘mas=クリスマス」と認識してそう呼ぶのが一般的ですが、ベトナムではあまりそのような呼ばれ方をされることがありません。多くのベトナム人はクリスマスを「Noel(ノエル)」と呼び、ベトナム人が日本人にクリスマスについての話をするときもその言葉を使うのが普通です。ノエルはフランス語のクリスマスにあたる言葉なので、ベトナムではその言葉が浸透しているのも頷けます。ちなみに、ベトナム語でもクリスマスに当たる言葉で「Giáng Sinh」がありますが、若者はあまりこの言葉を使わないそうです。日本人がクリスマスのことを「降誕祭」と呼ぶようなものでしょうか。
@Baodantoc.vn
クリスマスの過ごし方
ベトナムでも、クリスマスの過ごし方は日本人と大きな違いはありません。キリスト教徒でなくても親が子どもにプレゼントやケーキを買ってあげたり、恋人同士でムードある時間を過ごしたりと、皆さんが想像できるような形で各々楽しみます。ただ、日本のようにクリスマスだからといってチキン(七面鳥)を食べるのは一般的でなく、たとえクリスマスであったとしても、食べるものは特に普段と変わらないという人が多いです。
@Kinhtevadothi
クリスマス後の余韻
12月25日のクリスマスが終了すると、日本はお正月の準備モードに入りますが、旧正月文化のベトナムではテトまでまだ少し時間があります。なので、25日が過ぎてもすぐクリスマスのデコレーションが撤去されることはなく、終わってからもしばらくはクリスマスの飾りがそのまま残っています。ベトナム人いわく、折角きれいに飾り付けたのにすぐ片付けるのはもったいないんだそうで、テトの飾り付けが始まる時期までそのまま放置ということもめずらしくありません。この辺りのラフさも、ベトナムっぽいといえばベトナムっぽいですね。
@Baodantoc.vn
著者
稲田 琢磨
SESSA VIETNAM CO.,LTD代表
プロフィール
ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com