ベトナムの干支あれこれ

2025年になりました。旧正月文化のベトナムでは今が年の瀬といった雰囲気で、旧暦の1月1日(新暦1月29日)までまだ少し時間があります。そんな今年の干支は巳(ヘビ)で、ベトナムにも日本と同じく十二支の干支があります。今回はベトナムの干支について書いていきます。

ベトナムと日本の十二支

十二支の基本的な考え方は日本もベトナムも同じですが、それぞれの国で共通している干支と異なる干支があります。日本と異なる十二支は「丑(ウシ)→水牛、卯(ウサギ)→猫、羊→山羊(ヤギ)、亥(イノシシ)→豚」となっています。異なるといっても何となく近い動物の気がしますが、「卯(ウサギ)→猫」は明らかに異なります。これには諸説あり、中国からベトナムに干支が伝わる際、中国語のウサギの発音がベトナム語の猫の発音に似ているから猫に変わった、ベトナム人にとってウサギは他の十二支のように重宝されるような存在ではない、などがあるそうです。

豚年は子だくさん?

ベトナムの豚年は金運や幸運に恵まれるとされ、特にその年に生まれた男の子は財を手に入れると言われています。なのでこの年に合わせて子どもを作るベトナム人は多く、豚年の時期は他の年と比べてベビーブームになる現象が起こります。昔は年が変わるギリギリのタイミングの出産になりそうな場合に、帝王切開などで豚年生まれになるよう調整をするといった話もあったそうですが、現代はそういった理由で母子にリスクを与えるような人工的処置は受け付けないという産科が一般的となっています。

日常で干支を意識する機会

日本もベトナムも、基本的に干支が取り上げられるのは年明けが中心です。正月の時期が過ぎれば今年の干支をモチーフにした装飾などを見る機会はなくなりますし、日常的に意識することも特に無いでしょう。日本にない干支の年であれば、それが十二支にちなんだ装飾だと気づかずスルーしてしまっているといったこともあるかもしれません。ちなみに、ベトナム人も日本に干支があることを知らない人がほとんどなので、日本にも干支があるという話や日本と異なる十二支などの話を聞くと、興味を持ってもらえるかもしれません。ちょうど年明けなので、何かのきっかけにベトナム人と干支に関するちょっとした雑談をしてみてはいかがでしょうか。

@Tiemdieuuoc

著者

稲田 琢磨

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

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