頭が良いと禿げる?

薄毛は、年が若ければより気になる人が多いものです。最近のベトナムでは薄毛治療が発達し、クリニックによる薄毛治療の宣伝を目にするようになりました。ただ、薄毛にコンプレックスを持つ人がいる一方で、ベトナムではポジティブに捉えられることがあります。今回は、ベトナム人男性の薄毛事情について書いていきます。

日本人と比べると?

統計などはありませんので単なる個人的な印象のまま答えると、ベトナム人男性の薄毛割合は日本人と比べると低いような気がします。仕事や生活習慣のストレス度合などと関係があるのかと勝手に想像していますが、人種的な遺伝はあるのでしょうか。薄毛対策や育毛習慣といったケアはベトナム人男性にとって一般的ではありませんし、生活における頭皮へのダメージはベトナムに住んでいるほうが大きいと思います。なのに、ある程度の年齢でも、しっかりとしたコシのある髪を保っている男性が多いように感じます。

薄毛は頭がいいから?

ベトナムでは、「頭が良い人は禿げている人が多い」と昔から言われています。その科学的な根拠はないものの、例えば共産党員や公務員、学校の先生など知識職に就く人は、昔から禿げている人が多かったという理由からだそうです。「知識職=頭をよく使うからストレスが多い」という漠然とした考えがあるようで、最近ではITエンジニアなどもこれに当てはまるとのこと。パソコンに向き合う時間が長いと頭皮に悪いというデータがあるそうですが、実際はどうなのでしょうか。ちなみに、このITエンジニア説は中国でも言われているみたいです。

なぜこの説が広まった?

ほとんど迷信のような「頭が良い=禿げる」説。実際に昔はそういった人が多かったということで、このことについてベトナム人の友人と考えてみました。友人曰く、「昔の知識職は世襲制であり、親子で同じ職に就きやすい傾向があったため、遺伝的に同じような人がその仕事に就く割合が高かったからではないか?」とのこと。つまり、親が禿げていれば子どもも遺伝的に禿げやすいということで、頭の良し悪しや仕事内容は関係なく、遺伝的な要素が大きく関係しているという考察です。確かに、そう考えた方が腑に落ちます。頭が良かったら禿げるというのは、少なくとも日本では聞きませんし、ベトナム人固有の体質だとも考えにくいです。
ちなみにベトナムでは、男の子の赤ちゃんはある程度髪の毛が生えると丸刈りにする習慣があります。生まれて最初に生えてきた髪を剃ると、新しく生えてくる髪はより多くて強くなると考えられているそうです。

著者

稲田 琢磨

日本国社会保険労務士有資格者

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで10年以上、人材・人事業務に携わり、現在は自ら起業した「SESSA VIETNAM(セッサベトナム)」にて、主に「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などの人事コンサルティングサービスを展開。日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。ベトナム人妻と2人の子どもを育てながら、日越の二言語教育に日々奮闘中。
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

Profile Picture

If you like this article, please
Like or Follow !