
ベトナムは知る人ぞ知るコーヒー大国で、ブラジルに次ぐ世界2位のコーヒー豆生産量を誇ります。街を歩けば至る所にカフェを見かけるのも納得で、ベトナム人はさぞコーヒーが好きなのかと思いきや…?今回は、日本人目線で見るベトナム人とコーヒーの関係について紹介します。
コーヒーは男の飲み物?
ベトナムコーヒーは濃く抽出されるので、少量の小さなコップで提供されます。エスプレッソほどではないものの、ブラックで飲むと結構な苦味なので、男性の飲み物感が強いです。一方、ミルクを入れる場合は練乳を使うことから、日本人が想像するカフェオレよりかなり甘くなります。カフェでは男性がこれらをよく飲んでいる傾向があり、女性はフルーツティやミルクティ、果物のスムージーなどを頼む人が多いです。コーヒー大国ベトナムではありますが、女性でコーヒーを常飲する人はかなり少ない印象です。

コーヒーだけで楽しむ
アメリカンコーヒーのスタイルがメジャーではないベトナムでは、パンなどの食事と一緒にベトナムコーヒーを楽しむ文化がありません。食後や一休みなどでコーヒーだけを楽しむというのが一般的です。カフェでコーヒーを飲む場合、ナッツやひまわりの種などをサービスで出すカフェはあるものの、お口直しの水を傍らに、コーヒーの香りや味を堪能するスタイルです。
訪問先でのコーヒー

ベトナムで誰かの家を訪問すると、飲み物をよく出してもらえます。しかし一般的な家庭の場合、出される飲み物の中でコーヒーが出ることはほとんどありません。大抵はお茶かジュースなどです。もしコーヒーが出たら、事前にコーヒー好きな人と認識されている場合でしょう。ベトナムではコーヒーを飲む人と飲まない人の差がかなりあり、女性であれば全く飲まないという人もめずらしくありません。コーヒーは万人に出せる無難な飲み物という立ち位置ではないわけです。ちなみに、訪問先が企業であってもコーヒーが出てくる確率は日本のそれよりも低めで、ベトナムの会社であれば水、またはお茶が普通です。
このようにコーヒー大国でありながら常に多くの国民に飲まれているわけでもないベトナムコーヒー。一方、ヨーグルトコーヒーやエッグコーヒーといった、日本人からすると風変わりなコーヒーがあるほか、コーヒー風味のビールやコーヒーの香りがするハンドソープなど攻めた商品もあります。見かけたら話のネタに一度試してみてはいかがでしょうか。
著者
稲田 琢磨
日本国社会保険労務士有資格者
SESSA VIETNAM CO.,LTD代表
プロフィール
ベトナムで10年以上、人材・人事業務に携わり、現在は自ら起業した「SESSA VIETNAM(セッサベトナム)」にて、主に「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などの人事コンサルティングサービスを展開。日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。ベトナム人妻と2人の子どもを育てながら、日越の二言語教育に日々奮闘中。
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

