結婚式、泣くのは誰?

日本の結婚式(披露宴)では終盤を迎えると花嫁が親に対して感謝の手紙を読み、父親が涙を流すという定番の光景が見られます。そこにもらい泣きをしたという経験を持つ方もいるかもしれません。一方、ベトナムの結婚式でも同じような光景は見られるのでしょうか?今回はベトナムの結婚式におけるお涙事情について書きます。

父親は泣かない

今まで幾度とベトナムの結婚式に出席してきましたが、花嫁の父親が涙を流しているのは見たことがありません。式は伝統的な自宅式と現代的な式場タイプに二分されますが、いずれもあまり涙を促すような演出がないのがベトナムの結婚式です。雑な言い方をすれば大音量の音楽でワイワイ騒ぐのがベトナム式。誰かがスピーチをしているときでもお構いなしに話をしている人もいますし、静寂は皆無と言っても過言ではありません。そもそも涙を流すような環境ではないことが大きいと言えます。

父親の心理

日本の父親が涙を流す心理としては、これまで娘を育ててきたことを回想したり、お嫁に行ってしまう寂しさがこみ上げてきて…といったところかと思います。一方ベトナムの父親が式当日に考えることは少々違うようで、無事嫁に出せたという安心感や、多くの親族の前で式そのものを滞りなく進行しなければいけない責任感などの気持ちのほうが強いと言います。つまり一人で感動して泣いてる余裕なんかないというところだそうです。確かにベトナム人は娘が嫁に行かないことを非常に心配する傾向がありますし、世代的にも結婚に対する価値観はかなり強いものがあります。 

最近の傾向では

最近では式場タイプの結婚式の演出として、花嫁が自分の親に感謝の手紙を読むようなシーンも見られるようになりました。ただその手紙を読んで泣いているのは花嫁本人というケースが多く、父親が泣いているというのはほとんどありません。涙もろい母親であれば花嫁と一緒に泣いていることもありますが、いずれにしても男が結婚式で泣くのはめったに見られない光景です。こうした日越の違いをベトナム人に話すと「日本の父親は涙もろいのか?」と聞かれることもありますが、実際のところはどうなんでしょうか。本人の性格だけではなく、やはり周りの雰囲気や演出などの影響も大きいように思います。 

先日10年ぶりに日本の結婚式に出席してきましたが、ベトナム式の結婚式に慣れてしまったせいか、服装や発言、振る舞いなどに変な緊張感をもってしまいました(笑)。今となってはベトナムの結婚式のほうが気軽に出席できる自分がいます。 

著者

稲田 琢磨

日本国社会保険労務士有資格者

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで10年以上、人材・人事業務に携わり、現在は自ら起業した「SESSA VIETNAM(セッサベトナム)」にて、主に「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などの人事コンサルティングサービスを展開。日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。ベトナム人妻と2人の子どもを育てながら、日越の二言語教育に日々奮闘中。
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

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