2023年10月、ダオタン(Dao Tan)エリアで開業した日系のサービスアパートメント「プロニクスハノイサービスアパートメント」。運営母体の「プロニクスベトナム」は、実は精密プラスチック金型の設計・製作が主力事業です。なぜ同社がサービスアパートメント運営に乗り出したのか、その理由を代表の井上さんに直撃しました。
プロニクスベトナム/プロニクスハノイサービスアパートメント代表
井上仁良(きみよし)さん
1955年生まれ。趣味は夫婦で温泉巡り。「にっぽんの温泉100選」のうち、70カ所以上を制覇。妻の貴美子さんとは高校時代の同級生で、2年生から交際を始め、大学在学中に結婚している。ゴルフも好きで、ハノイの日本人コンペティションでは優勝するほどの腕前。
ベトナムに注目したきっかけを教えてください。
私は1989年に日本で独立し、金型や成形、寸法測定の仕事を開始しました。2002年に、ベトナムの納品先であるお客様から、同国への進出の提案を受けたのがきっかけです。当時、海外進出を目指す企業は、銀行からの融資を受けやすかったので、そのチャンスを活かしてベトナム進出を決意しました。
製造業からなぜサービスアパートメントの運営に乗り出したのですか?
主軸である製造事業が軌道に乗ったタイミングで、今度は新規事業として不動産ビジネスに乗り出し、最初は貸工場から始めました。その中で、現在プロニクスハノイサービスアパートメントの管理を任せているミー(My)と出会い、彼女の提案を受けて、同アパートの運営も開始することになりました。
ベトナムに進出してよかったことを教えてください。
日本は経済成長が止まってしまっていますが、ベトナムは順調に伸びているところですね。ベトナムの人件費は年々上昇していますが、国自体が成長していることの表れであり、それに沿ってプロニクスベトナムも順調に発展したのでよかったです。ベトナムに進出していなかったら、日本でとっくに倒産していたと思います。
サービスアパート運営で特にこだわっていることを教えてください。
ダオタンという、日本人に人気の高いエリアで、1泊33USD(約82万VND)、月600USD(1500万VND)という比較的安価な設定でありながらも、質の高いサービスを提供できているところです。また、日本のおもてなしの心をもって対応するのはもちろん、キッチン、洗濯機、テレビ、バスタブなどの設備も整っていますし、角地に位置しているため風通しが良く、カビが生えにくい環境であるところも魅力です。
その他、当アパートならではのサービスとして、会社登記サービスを500USD(約1242万VND)で提供しています。住居兼事務所として、リーズナブルな価格で事務所を構えることができるのは大きなメリットです。
多くの日本人に愛される理由として何が挙げられますか?
私個人としても大変気に入っているのが、洗濯サービスの速さです。朝出した洗濯物が夕方には仕上がるため、とてもありがたいです。あと、床がタイルではなくフローリングなので、木の温かみを感じられます。キングサイズのベッドは、横向きに寝ても十分な広さがあります。コストパフォーマンスが良く、何より清潔感が保たれているのも、このアパートメントが多くの人に愛される理由ではないでしょうか。
今後の目標を教えてください。
ハノイ市内のサービス拠点を増やすだけでなく、ダナンやホーチミン市にもそれぞれ10カ所ずつ、サービスアパートメントサービスを提供したいです。そして近い将来、フーコック島にも小さなコテージを建てる計画を立てていますので、楽しみにしていてください。
Info
Pronic Hanoi
住:1-3, Ngo 58/26, Dao Tan, Ba Dinh, Hanoi
電:093-650-4505(Ms.ミー、日・英可)
FB:Pronics Apart
www.pronics-real-estate.com.vn