ベトナムのスポーツジムあれこれ

健康に対する意識が高まり、スポーツジムの利用者が増えているベトナム。日本では見かけないような青空ジムから、高級フィットネスクラブまで施設は様々です。しかし、日本と比べるとちょっとした違いが見受けられます。今回は、ベトナムのスポーツジムについて思うところを書きます。

圧倒的に若年層が多い

顕著なのは会員の年齢層です。日本は高齢化の関係もあり、場所や時間帯によっては大半が年配層の利用者ということがありますが、ベトナムではいつでも若年層の利用が中心です。というのも、ベトナムではジム通いが一般的になったのがここ10年程度で、高齢者が新たにジムを利用するという習慣はまだ根付いていません。もちろん、高齢者も健康のために体を動かすことはしていますが、多くは地域の活動や仲間内でのレクリエーションといった形で、ジムで汗を流すという選択がありません。たまにジムでもそれなりの年齢の方を見ることがありますが、大抵は長年鍛え続けていることが分かるような肉体をしています。

朝は早く、夜も早い

ベトナムと言えば朝が早いイメージで、スポーツジムにも同じことが言えます。早いところでは朝5時から開けているところもあります。一般的な会社員は8時始業なので、出社前にジム通いをすると考えれば妥当でしょうか。また、夜は22時ぐらいで閉まるところが多く、日本のように夜の0時ぐらいまで開けていたり、24時間営業だったりするジムは一般的ではありません。大抵の会社員は残業がなく17時ぐらいで帰宅しますので、そこから晩御飯までの時間帯が利用のピークとなります。


素足で鍛える

ベトナム人は普段、素足で歩き回ることが多く、ジムも例外ではありません。日本ではジム内でシューズの着用を義務付けしているところが多い一方、ベトナムでは特にそういった規定は見かけません。むしろ床の材質上、素足のほうが滑りにくくていいと考える利用者が多く、ジムのスタッフからも素足を勧められることがあります。何かあったときに危ないという思考はないのだろうかといつも思いますが、素足で活動することに対する抵抗感が日本人より低いというのが顕著に表われています。

余談ですが、ジムスタッフの話によると、年間会員になっても続けて定期的に通う人は一部のようで、この辺りは日本と同じなようです。幽霊会員を見越しての経営ありきで、仮に会員全員が熱心にジム通いをするようになると、大抵のジム施設はスペース上、キャパオーバーになるだろうとのことでした。


著者

稲田 琢磨

日本国社会保険労務士有資格者

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで10年以上、人材・人事業務に携わり、現在は自ら起業した「SESSA VIETNAM(セッサベトナム)」にて、主に「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などの人事コンサルティングサービスを展開。日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。ベトナム人妻と2人の子どもを育てながら、日越の二言語教育に日々奮闘中。
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

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