平均年齢の若いベトナムには子どもがたくさんいます。街を歩けば広場、路上を問わず遊んでいる子どもを見ることも多いでしょう。
今回はベトナムの子どもに関するスポーツ事情について紹介します。
ベトナムの子どもは投げるのが苦手?
公園などに行くと小学生ぐらいの子どもがボールを投げる姿を見ることがありますが、日本の平均的な子どもと比べて全体的に投げ方にぎこちなさを感じます。基本的にベトナムでは野球を筆頭に、ドッジボールのような投げる動作をメインとするスポーツが普及していませんので、遊びを通じて投げる動作を身に着ける機会が不足しているのでしょう。一方、国民的なスポーツであるサッカーは幼い頃から慣れ親しんでいますので、男子の場合はボールを蹴り慣れている子が多いですし、その動作についても素人レベルで日本の子どもと遜色がありません。
学校でのスポーツ経験不足
ベトナムの公立学校では体育館はおろか、土のグラウンドがない学校も普通にありますので、体育の授業でできることは自ずと限られてきます。日本人は義務教育で一通りの球技や陸上、器械体操などを経験するものですが、ベトナム人で満遍なくスポーツを経験して大人になったという人はかなりめずらしいです。放課後のクラブ活動といったものもありませんので、本格的にスポーツに打ち込んだ経験があるベトナム人というと個人スクールに通っているか、体育関連の学校に進学した人が中心となります。ですので、日本人同士なら世間話として学生時代のスポーツ経験を聞くようなことはありますが、ベトナム人ではそういった習慣はありません。
親の教育志向
親の教育志向
所得の増加に伴い子どもの教育投資に熱を入れる親は多いものの、やはり大半は学業への投資となります。幼い頃からの英語教育の他、小学校に上がる前のプレスクール的な塾に通わせる家庭も都会を中心に増えています。個人的には、小学校ぐらいまでは身体の動かし方を覚えさせる教育も大事だとは思うのですが、その辺りをベトナム人に話してみてもあまり響きません。一方で、水泳教室は比較的人気があり、他のスポーツと比べるとニーズが高いように感じます。今の親世代は学校にプールがなかった世代なので、池や川などで遊んだ経験のない人は大半がカナヅチです。そんな人たちも、自分の子どもには泳げるようになってほしいと思う人が多いという
ことなんでしょう。
著者
稲田 琢磨
SESSA VIETNAM CO.,LTD代表
プロフィール
ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com