帰省は楽しい?

今年のテトはどのように過ごされましたか?テトが終わって少し経つものの、街中ではまだまだその余韻を感じさせます。都市部に住む多くの人は地方から上京していますので、帰省して地元で楽しい時間を過ごしたベトナム人も多いと思われますが、中にはテトの帰省を億劫に感じる人もいるそうです。今回は、そんなテト帰省を億劫に感じる事情を紹介します。

お金がかかるテト帰省

テト期間中に帰省すると、何かとお金がかかります。まずは交通費です。民間の長距離バスなどはチケット代が高騰し、家族で帰省となると結構な額となります。次にお土産代が発生します。実家や近い身内に都市部のお土産を買って帰ったり、伝統的なテトギフトを贈ったりすると、数万円は簡単に無くなってしまいます。また、お年玉の存在もあります。一人ひとりの額は大したことありませんが、地方の親族付き合いの数はかなりのものですので、少額のお金がどんどん出ていくことになります。ベトナムでは俗にテト賞与と呼ばれるボーナスがありますが、これは正にテトの必要経費に消費されるお金という位置付けです。

身内との関り

本来久しぶりに会う身内との交流は楽しいものですが、人によってはそれが憂鬱なケースもあります。例えば、年頃でまだ結婚していない若い世代であれば年配の身内からいつ結婚するのかと質問責めにあったり、テト期間中の家事を手伝わされたりと、精神的、肉体的に負担に感じる人もいます。また生来的に大人数でどんちゃん騒ぎをするのが苦手な人はいるもので、そういった人はテト期間中続く宴会騒ぎを億劫に感じることがあるようです。

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敢えてテト期間中に帰省しない選択

一昔前と比べると、テト期間中でも営業している業界が増えました。サービス業などは旧暦の1月1日から開いているところもありますし、その時期に働いている人もたくさんいます。テト期間中の労働は法律により給与が割増になるので、帰省が億劫な若者は敢えてその時期に仕事を入れて帰省を回避するということもあります。通常より多く給料をもらえて、帰省しない建前の理由も作れる、テト騒ぎが落ち着いてからゆっくり実家に帰省しようという、彼ら彼女らにとっては最も合理的な選択となります。日本でも帰省を面倒に感じる話はよく聞きますが、最近のベトナムでも若い人を中心にそういった傾向が見られるようになっています。

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著者

稲田 琢磨

SESSA VIETNAM CO.,LTD代表

プロフィール

ベトナムで7年ほど人材関連の仕事に従事し、2021年人事コンサルティング会社SESSA VIETNAMを企業。「人材紹介」「人事労務相談」「労働許可書取得代行」などのサービスを中心に企業、求職者向けの人事コンサルティングを展開。
日常でベトナム人を観察しながらベトナムの「なぜ・なに」を考えるのが日課となっている。座右の銘は「為せば成る、なるようになる」
【公式HP】https://www.sessa-jp.com

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